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カスハラ 2021.11.18

【解決策】カスタマーハラスメントに厚生労働省のガイドラインはあるのか?企業での作成法を紹介

「カスタマーハラスメントのガイドラインはあるのか?」
「企業はカスタマーハラスメントに対応するべき?」
「どんな対策を行ったら良いのか知りたい」

顧客から従業員に対するハラスメント(カスタマーハラスメント)にお悩みではないでしょうか。企業内で対策を講じる場合、何から行えばよいのかわからないとお困りの方もいるでしょう。公式なガイドラインがあれば導入しやすいですよね。

そこで、こちらの記事では、以下の内容について解説していきます。

  • カスタマーハラスメントの公式ガイドラインについて
  • ガイドラインが必要な理由
  • カスタマーハラスメントを行う顧客の種類と対処法
  • 自社で行うカスタマーハラスメント対策

この記事を参考に、企業内でカスタマーハラスメントへの対策を強化してみてください。

カスタマーハラスメントの厚生労働省ガイドラインはない

カスハラ厚生労働省ガイドライン

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、一般的に従業員に対する顧客からの悪質なクレームや暴言のことをいいます。

例えば、

  • 従業員の胸ぐらを掴んだり突き飛ばしたりする
  • 大声で怒鳴りながら長い時間居座る
  • 土下座を強要する

これらは、カスタマーハラスメントに該当します。

カスタマーハラスメントは、近年注目されている問題のひとつです。現時点で公式なガイドラインはまだ用意されていませんが、厚生労働省では企業向けマニュアルを作成予定です。

(参考:「第3回 顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議(厚生労働省)

しかし、企業は悪質なクレームから従業員を守る義務があるため、厚生労働省の指針を待たずに自社で対策をしておくべきです。

カスタマーハラスメントに関する厚生労働省の指針については「【2021年最新】カスタマーハラスメントに関する厚生労働省の指針は?企業が取るべき9つの対策を紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

カスタマーハラスメントのガイドライン作成が必要な4つの理由

カスハラガイドラインが必要な理由

カスタマーハラスメントに対するガイドラインは、自社で作成しておくべきです。その理由を4つに分けて解説していきます。

  1. 従業員の精神的ストレスが増加する
  2. 離職率の増加につながる
  3. 企業の安全配慮義務違反に該当する可能性がある
  4. 一般の顧客に迷惑がかかり企業価値が低下する恐れがある

企業でカスタマーハラスメント対策を担当されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 従業員の精神的ストレスが増加する

カスタマーハラスメントは、対応した従業員が多大なストレスを受けるものです。その結果、心身の健康を害する可能性があります。

従業員に対し「お客様は神様である」といったスタンスで教育していると悪質なクレームに対しても「お客様のどんな苦情にも耐えなければならない」と我慢してしまうことがあります。

カスハラに対応する従業員は、どんなクレームにも耐えようと無理をすることにより、精神疾患を患う恐れがあるので注意が必要です。

2. 離職率の増加につながる

カスタマーハラスメントに対し、企業は従業員を守らなければなりません。対策を怠ると、従業員のメンタルヘルスに悪影響を与え、離職率の増加につながるリスクがあります。

人材流出に歯止めが効かなくなれば、事業が立ち行かなくなる可能性があります。カスハラに対する相談窓口を設ける、一人で対応しないなどの対策が必須です。

3. 企業の安全配慮義務違反に該当する可能性がある

企業は、労働者の安全確保を行う義務があります。

(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

引用元:「平成十九年法律第百二十八号 労働契約法(e-Gov法令検索)

安全確保には心身の健康も含まれるため、カスタマーハラスメントによって従業員が心身を害することがないよう、環境を整えなければなりません。

カスハラに対処した従業員に対して適切な対処をせず放置した結果、精神疾患を患ったり自殺してしまったりした場合、企業の安全配慮義務違反に問われる可能性があります。損賠賠償請求されることもあるため、対策を怠らないようにしましょう。

4. 一般の顧客に迷惑がかかり企業価値が低下する恐れがある

カスタマーハラスメントを行う顧客に対し、適切に対処しないと一般の顧客に迷惑がかかります。一般の顧客に割くべき費用や時間を、一部の悪質なクレーマーに使うことになるからです。

さらに、顧客への対応がしっかりしていないとなれば、信用を失うことに繋がります。企業価値が低下する恐れがあるので、カスタマーハラスメントへの対策は必須です。

カスタマーハラスメントを行う2つの顧客タイプ

カスハラの顧客タイプ

カスタマーハラスメントを行う顧客は、大きく2つのタイプに分けられます。

  1. 不当要求で意図的に利益を求める
  2. 自己満足や自己肯定感を求めて暴走する

顧客のタイプを知っていると対処しやすくなるので、参考にしてみてください。

1. 不当要求で意図的に利益を求める

ひとつめのタイプは、不当だとわかった上で金銭などの利益を要求する顧客です。脅迫したり、暴力をふるったりして、経済的な利益を得ようとします。

不当な要求を行う顧客には、はっきりと「要求には応じられない」と伝えることが大切です。不当な要求を繰り返す人を「大切なお客様」と考えるありません。

企業側が毅然とした態度で対応すれば、目的が達成できないとわかって引き下がるケースが多いでしょう。

2. 自己満足や自己肯定感を求めて暴走する

ふたつめのタイプは、人より優位に立ちたい、正しいことをしていると思い込んで暴走するケースです。近年のカスタマーハラスメントに増えているタイプと言えます。自分の利益を求めて行動を起こしているわけではないことが、大きな特徴です。

特に高齢者に多く「若者を正したい」という正義感から、クレームがエスカレートしてハラスメントに発展することがあります。

自分が正しいと思いこんでいるため、説得するのに苦労するでしょう。スムーズな解決が難しいので、自社で対応しきれない場合は弁護士などに頼るのも一つの手段です。

企業のカスタマーハラスメントのガイドラインに入れるべき5つの対策

カスハラガイドラインに入れるべき対策

できれば厚生労働省のガイドラインを待たずに、企業でカスタマーハラスメント対策を講じるべきです。しかし、具体的にどんな対策を行ったらよいのか悩む企業担当者もいるでしょう。こちらでは、ガイドラインに入れるべき対策を5つ紹介します。

  1. 企業の方針を明示する
  2. カスタマーハラスメントへの対応手順
  3. 正当なクレームとカスタマーハラスメントの区別
  4. クレームを社内で共有する体制
  5. カスタマーハラスメントを受けたときの相談体制

企業のガイドラインを作成する際、ぜひ参考にしてみてください。

1. 企業の方針を明示する

カスタマーハラスメントに対し「企業でどのような体制を取っていくか」の方針を明らかにしておくことが大切です。

  • 顧客の理不尽な要求には対応しない
  • 従業員を守る

ということを、社内にも外部にも周知しておきましょう。

カスタマーハラスメントに対する行動指針を明示している企業は多くあります。以下3社の例を参考にしてみてください。

行動指針に含んでいる項目は、以下のものがあります。

  • カスタマーハラスメントに対する行動指針を明示する目的
  • 対象となる行為(顧客による暴力・暴言、顧客による過剰または不合理な要求、顧客による合理的範囲を超える時間的・場所的拘束他)
  • カスタマーハラスメントへの対応
  • 顧客へのお願い

顧客からの理不尽な要求について、社内外に企業の対応を示して毅然とした対応を行っていきましょう。

2. カスタマーハラスメントへの対応手順

カスタマーハラスメントに対する具体的な対応手順は以下のとおりです。

  1. カスタマーハラスメントに対し、常に記録を取れるようにしておく:メモや録音などがすぐ取れる準備をする
  2. 困ったときの社内の相談先を設ける:相談先を設定したら、担当者は適切な対処ができるようにしておく
  3. 被害を受けた従業員に対する配慮を行う:精神的な不調への相談先を設ける、カスハラを一人で対応させない、など
  4. 被害を防止するための取り組みを行う:カスタマーハラスメントに対する研修を定期的に行う

対処方法を知っていても、いざカスハラが起こったときに即座に対応できるとは限りません。さまざまなケースを想定した研修を定期的に行い、従業員全員がいつでも応じられる体制づくりが必要です。

また、カスタマーハラスメントだけでなく、通常のクレームについても社内で共有する環境づくりも重要です。

3. 正当なクレームとカスタマーハラスメントの区別

企業内で、正当なクレームとカスタマーハラスメントの区別がつくようにしておくことが大切です。2つの違いを大まかに分けると、以下のとおりです。

  • 正当なクレーム:顧客の意見が商品の不具合やサービスの問題などを改善するのに必要なものである
  • カスタマーハラスメント:顧客の行為が苦情を伝えるのに必要な程度を超えている

そもそも商品に問題があり、商品の返金や交換を求めるのであれば、正当なクレームです。しかし、商品に問題があることに対し、大声で罵倒したり、土下座や高額な慰謝料を要求したりする場合は、カスタマーハラスメントと言えます。

ただ、クレームとカスタマーハラスメントは線引が難しいものです。企業担当者は弁護士に相談するなどして「正当なクレームなのかカスハラなのか」正しい判断ができるようにしておきましょう。

4. クレームを社内で共有する体制

クレームが起きた時、社内で共有できる体制作りが大切です。カスタマーハラスメントには、組織的な対応が必須です。

もし、悪質なクレームに発展した場合、即座に対応できるようにしておかなければなりません。

  • カスハラ対策の担当者を決めておく
  • 問題が起こったときは、本部で対応する
  • カスハラへの具体的な手順をマニュアル化しておく

また、従業員の場合カスタマーハラスメントとクレームの区別がつきにくいものです。小さなクレームであっても社内で共有し、対策方法を決めておくことが大切です。

5. カスタマーハラスメントを受けたときの相談体制

カスタマーハラスメントは、企業内だけで対応するには限界があります。万が一に備えて、警察や弁護士などに相談できるようにしておくのが良いでしょう。

弁護士に相談できる体制を整えておけば、カスハラに対してその都度正しい判断を仰げるため安心です。

オンライン顧問弁護士なら事務所に出向かなくても相談できるので、利用を検討してみると良いでしょう。

まとめ

カスハラガイドラインまとめ

カスタマーハラスメントに対する、公式なガイドラインはまだありません。政府もカスハラへの対策を強化しているところですが、企業でもきちんと対処法を講じておくことが必要です。

カスタマーハラスメントを行う顧客に対して適切に対処し、従業員を守ることは企業の義務です。ガイドラインを作るのに迷うことがあれば、専門知識を持った弁護士に相談するのがよいでしょう。

オンライン顧問弁護士」では、30分の無料相談体験を行っています。ZoomやSkypeで相談できるので、気軽にお問い合わせください。

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