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顧問契約 2022.01.27

【完全版】債権回収とは?速やかに対応するべき3つの理由と実施方法や相談先を紹介

「債権回収がうまくいかないが、貸し倒れは避けたい」
「売掛金を回収できずに泣き寝入りはしたくない」
「債権を回収するにはどのような行動が必要なのだろうか」

売掛金や手形の回収が滞ると、企業の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし対応の経験が浅い企業では、どのような行動を取ればいいか分からず、困ってしまうこともあるのではないでしょうか。

本格的に債権回収をするには、弁護士の力を借りて法的な手続きへ進むことも検討しなければなりません。

そこでこの記事では、

  • 債権回収の概要
  • 速やかに実施すべき理由
  • 任意回収の流れ
  • 法的措置の流れ
  • 債権回収で困ったら頼れる相手
  • 注意点
  • 債権回収が困難になった際にできること

などの内容を解説していきます。債務者が支払い能力を無くした際の選択肢も紹介しますので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

債権回収について解説

債権回収について解説

そもそも債権回収とは、期限を過ぎても支払いを確認できなかったお金について、回収のために行動を起こすことです。お金を受け取る権利を「債権」、お金を支払う側を「債務者」と呼びます。

債権回収の対象となる可能性があるのは、売掛金や貸付金などです。それ以外にも、自社側が請求権を持っているにも関わらず、相手企業の支払いを受けられない場合、債権回収を実行することになります。

債権回収を速やかに実施すべき3つの理由

債権回収を速やかに実施すべき理由

債権回収は、後回しにすべきではありません。その理由を3つ解説します。

  1. 自社の資金繰りに悪影響を与えるから
  2. 相手が倒産する恐れがあるから
  3. 時効を迎えて回収できなくなるリスクがあるから

「必要性は感じているけれど、繁忙期が過ぎてから着手しよう……」といった考えは禁物です。債権回収は、できるだけ早く始めることがおすすめです。

1. 自社の資金繰りに悪影響を与えるから

債権回収の滞りは、自社の資金繰りを悪化させる原因となります。本来支払われるべきお金を受け取れず、収入源の1つが減ってしまうためです。

他社へ支払う予定だった買掛金などが支払えなくなり、信用を失うケースも考えられるでしょう。

債権回収を実施するにも、弁護士費用や法的措置の手数料などで、出費が伴います。そのため、自社の収益性が悪化し必要経費を支払えなくなる前に、早めの行動を起こすことが大切です。

2. 相手が倒産する恐れがあるから

相手企業が債務を支払えないほどの経営状況では、倒産してしまう可能性があります。倒産した企業から、全額の債券を回収するのは簡単ではありません。

倒産した企業は、資産を現金化して取引先へと分配する「配当」の手段を講じることがあります。しかし自社以外にも配当の対象となる企業が存在すると、1社あたりが受け取れる金額は限られてしまうのです。

相手企業の経営に関する悪い噂を耳にしたら、特に対応を急がなくてはなりません。

3. 時効を迎えて回収できなくなるリスクがあるから

どんなに高額な債権でも、時効を迎えたら回収できません。

例えば、2020年3月以前に債権となった売掛金は期限から2年、2020年4月以降の売掛金は期限から5年が時効となります。売掛金の発生時期によって事項の年数が異なるのは、民法が改正されたためです。

他にも、債権の種類によってそれぞれ時効が異なります。時効により債権が無効となる前に、行動を起こすことが重要です。

任意による債権回収の方法

任意による債権回収の方法

債権回収の方法は、話し合いによる解決を目指す「任意回収」と、法律に則って行動を起こす「法的措置」が代表的です。

任意回収で実施する内容は、主に2つあります。

  1. メールや電話で支払いを請求する
  2. 書面で支払いを促す

自社の担当者でできることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. メールや電話で支払いを請求する

支払いに遅れが生じたら、まずは担当者に連絡を入れることが一般的です。メールや電話を使い、状況の確認をしてみましょう。

「日付を勘違いしていた」「社内で適切に伝達されていなかった」など、支払いの滞りが意図的なものではないケースもあります。支払い能力に起因する事情でなければ、穏便に支払いをしてくれる可能性が高いでしょう。

メールの文面や通話内容は、記録を保存しておくことをおすすめします。後ほど法的措置に進んだ際、記録した内容が重要な資料となるかもしれません。

2. 書面で支払いを促す

メールや電話でのやり取りが上手くいかなかったら、書面を使った支払い催促を検討しましょう。

「未払いとなっているお金を早く払って欲しい」という旨を伝える、催促書を作成します。催促書には支払いの期日などを記載するのが一般的ですが、決まったテンプレートはありません。適切に書面を考えられるか不安であれば、弁護士へ相談しましょう。

催促書を送る手段には、郵便局が送付物の内容を証明してくれる「内容証明郵便」があります。内容証明郵便に支払いを強制する力はないものの、裁判では有力な証拠として扱われます。

相手に受け取りを拒否されたり、開封を後回しにされたりするトラブルを懸念するのであれば、レターパック・特定記録郵便も活用しましょう。

法的措置​による債権回収の4ステップ

法的措置​による債権回収のステップ

ここからは、法的措置による債権回収について、詳しく紹介していきます。

主な流れは次の4ステップです。

  1. 支払督促の申し立てを行う
  2. 民事調停を行う
  3. 訴訟を行う
  4. 強制執行を申し立てる

法的措置では、裁判所を通してやり取りを行います。それぞれの手続き内容を確認していきましょう。

1. 支払督促の申し立てを行う

支払督促は、裁判所を通して「支払いを命じる」旨の書面を送る手続きです。債務者の住所を管轄する地方裁判所に、手続きを申し込みます。

裁判所を通すとはいっても、証拠となる資料を集めたり、裁判を起こしたりする必要はありません。必要書類や切手を準備して、裁判所に郵送か持ち込みするだけで手続きは完了です。

支払督促をする場合は「書面の送付」が必要なため、債務者側の正確な住所を知っておく必要があります。

2. 民事調停を行う

民事調停では、債権回収をめぐるトラブルを話し合いで解決するための手段です。一般の人から選ばれた「民事調停委員」が、自社と債務者の主張を聞き、合意の手助けをしてくれます。

民事調停で解決を目指すメリットは、簡単に申し立てできることです。法的知識がなくてもスムーズに終了まで行動できるため、弁護士の助けがなくても対応できます。

また、訴訟よりも低額な費用で手続きできることも、メリットの1つです。例えば10万円の貸付金を回収するのであれば、手数料は500円で済みます。

法的措置でありながら、できる限り簡易的な解決を目指すためには、民事調停がおすすめです。

3. 訴訟を行う

支払督促や民事調停に対し、債務者側が異議を申し立てしてきたら、訴訟へ進みます。

支払い総額が60万円以下なら、少額訴訟で解決を目指せます。少額訴訟は、一度の審理で判決が分かる、簡易的な裁判です。スピーディで費用が安価なことがメリットです。

しかし以下のような状況の時は、少額訴訟ではなく通常訴訟での対応が必要です。

  • 少額訴訟の内容に異議の申し立てがあった
  • 相手の住所や居場所が不明である
  • 支払い総額が60万円以上である
  • 少額訴訟の回数制限を超えている

少額訴訟よりも長い期間が必要ですが、裁判所による確定判決を得られることがメリットです。

支払いを要求する金額が140万円以下なら簡易裁判所、140万円を越えるのならば地方裁判所が手続きの管轄となります。

4. 強制執行を申し立てる

催促や訴訟がスムーズに進んだにも関わらず支払いが完了しない場合、強制執行の申し立てができます。債務者側の資産を差し押さえし、支払いに充てさせる手続きです。

  • 不動産:土地や建物などの動かない資産
  • 動産:車両や機械設備などの動かせる資産
  • 債権:債務者が他社から受け取る予定の支払い

このような資産を差し押さえ可能です。

相手が支払いを渋ったとしても、最初から強制執行を実行することはできません。強制執行の申し立てをするには、まずは少額訴訟などを行い、段階的に手続きを進める必要があります。

債権回収が難しい場合に相談できる専門家

債権回収が難しい場合に相談できる専門家

専門家に対応を任せることで相手企業がプレッシャーを感じ、債務の支払いに応じてくれる可能性が高まります。

債権回収に関する相談先の例は、以下の2つです。

  1. 弁護士
  2. 債権回収代行業者

自社の従業員にかかる負担を軽減しつつ、専門的な知識による質の高い対応を依頼しましょう。

1. 弁護士

弁護士は、相手企業との話し合いから法的措置まで、債権回収を幅広くサポートしてくれます。訴訟を検討していなくても、弁護士に相談することは問題ありません。

対応してくれる業務の例は以下の通りです。

  • 相手企業への連絡を代行
  • 弁護士名義での書類作成
  • 法的措置に関する手続き全般

顧問契約を結んでいる弁護士は、通常よりも安価で対応してくれる傾向があります。依頼費用の相場は、関連記事「【2022年最新】弁護士の顧問契約の相場一覧と費用を安くする方法を紹介」で詳しく解説しています。

顧問弁護士がいない企業では、まずは気になる法律事務所へ無料相談を申し込んでみましょう。

2. 債権回収代行業者

債権回収代行業者は、弁護士以外の業者に債権回収を委託できるサービスです。正式には「債権管理回収業」と呼ばれています。

債権回収代行業者に対応を頼めるのは、サービサー法で「特定金銭債権」に指定された以下の内容です。

金融機関等が有する貸付債権

リース・クレジット債権

資産の流動化に関する金銭債権

ファクタリング業者が有する金銭債権

法的倒産手続中の者が有する金銭債権

保証契約に基づく債権

その他政令で定める債権

(引用元:一般社団法人全国サービサー協会|サービサーとは

ただし債権回収代行業者は、弁護士のような法的措置までは実行できません。

利用を検討する際は、認可を受けずに営業する悪徳業者に注意しましょう。公的な許可を受けている債権回収代行業者は、法務省の「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」のページから確認できます。

債権回収における3つの注意点

債権回収における注意点

債権回収を実施する際は、以下の注意点を把握しておきましょう。

  1. 対応を委託しても債務者から自社に連絡が届く場合がある
  2. 回収金額より専門家への依頼料のほうが高額になることがある
  3. 債権回収が必ず成功するとは限らない

1つずつ解説していきます。

1. 対応を委託しても債務者から自社に連絡が届く場合がある

弁護士や債権回収代行業者が対応窓口になっているにも関わらず、債務者が自社に直接連絡をしてくるケースがあります。

直接の連絡は「債権回収が円滑に進まない」「対応を委託しているのに自社の負担が減らない」などのトラブルにつながります。

そのため専門家へ対応を委託した後は、債務者から自社への直接の連絡を容認すべきではありません。債務者側へ正確な担当者を伝え、窓口を1本化することが重要です。

2. 回収金額より専門家への依頼料のほうが高額になることがある

回収金額が少額の場合、専門家への依頼料のほうが高額になり、金銭的にマイナスが生じることがあります。

料金の算定方法は弁護士・代行業者ごとに異なり、基準が存在しないためです。料金面で損をしないためには、複数の弁護士から見積もりを取って比較することがポイントです。

顧問弁護士がついていても、本格的な対応は顧問業務の対応外となることがあります。顧問業務外として対応してもらうには、定額の顧問料とは別で支払いが生じるため注意しましょう。

3. 債権回収が必ず成功するとは限らない

自社で対応しても、専門家の力を借りても、債権回収が100%成功する保証はありません。

債権回収が上手くいかないのは、相手が次のような状況にあることが原因です。

  • 会社が倒産した
  • 支払いに充てられる財産がない
  • 時効が成立している

裁判で勝訴しても相手が財産を持っていなければ、強制執行などの命令は空振りとなってしまうでしょう。

【諦めないで】債権回収が困難になった際にできること3選

【諦めないで】債権回収が困難になった際にできること

相手企業が資産を持たないなどの原因で、債権回収が困難となっても、できることはまだあります。

  1. 債権を相殺する
  2. 担保権を行使・実行する
  3. 債権譲渡を利用する

これらの債権回収方法については、弁護士に相談可能です。それぞれの内容を紹介していきます。

1. 債権を相殺する

「債権の相殺」とは、民法で定められた、お互いの債権・債務を打ち消しできる仕組みのことです。

例えば、自社がA社に1,000万円貸し付け、債権回収を試みているとします。一方でA社は、自社から受け取る予定のお金が同じく1,000万円ある状態です。そこで自社が払うはずだった1,000万円を、A社から受け取るはずだった1,000万円で帳消しにするのです。

債権回収の相手方へに債務があれば、資産がない取引先からも回収できる可能性があります。

2. 担保権を行使・実行する

担保とは、債権回収が困難となった際に備えて用意している、債権と同程度の価値を持つ物品のことです。支払いを補ってくれる保証人も、担保として使われることがあります。

これらの担保を受け取る権利で、相手の資産を支払いに充てさせるのです。相手企業が破産手続きに進んでも、破産法の「別途権」があるので、支払いの代わりに担保を受け取る権利は失いません。

ただし、相手の承諾を得ることなく勝手に差し押さえるのは、窃盗行為となるためNGです。債務者側の代表者や弁護士と、書面で約束を交わしてから手続きを進めましょう。

3. 債権譲渡を利用する

債権譲渡は、債務者であるA社に支払い予定があったB社から、代わりに債権回収できる仕組みです。

例えば、掛け売りしていた1,000万円をA社から回収するのではなく、本来B社からA社に支払われるはずだった債権を自社で受け取ります。

A社の経営状況が悪くても、資金繰りに問題のない会社へ債権を譲渡して貰えば、スムーズに支払いを受けられるでしょう。

債権回収の相談は「オンライン顧問弁護士」へお任せください

債権回収の相談は「オンライン顧問弁護士」へお任せください

債権回収では、話し合いでの解決を目指す「任意請求」や、申し立て手続きや訴訟を行う「法的措置」などの手段を用います。

任意請求でも、弁護士に話し合いを代行してもらうことで、相手企業が真摯に対応してくれる可能性が高まるでしょう。

顧問弁護士を契約している企業は、対応についてまず相談してみることをおすすめします。

オンライン顧問弁護士」では、Zoomで利用できる無料相談を提供しています。債権回収に関するお悩みがあれば、ぜひ無料相談をご利用ください。

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