「過剰な要求をしてくるクレーマーに困っている」
「過剰要求に該当するクレームってどんなもの?」
「過剰な要求をされた場合の相談先を知りたい!」
このようなお悩みを抱えていませんか?
金銭を求めたり、常識の範疇を超えた謝罪を強要したりと、過剰な要求をしてくるケースは珍しくありません。そのため、どのように応じればいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、クレームの過剰な要求に悩んでいる方に向けて
- 対応すべきクレームとの見分け方
- 対応のポイント
- 困ったときの相談先
について解説します。
経営を安定させる要素の1つは、過剰な要求をしてくるクレーマーへの対策です。この記事では、企業が取るべき対策方法を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
クレーム対応における過剰要求とは?応じるべき要求との見極め方を解説
過剰要求とは「主張自体に理由はあるものの量や質的に過剰である要求」です。
例えば、
- 購入した商品が不良品だったため、慰謝料の支払いを求められる
- 電話やメールなどで、何度もクレームを入れてくる
- 家まで謝罪に来るよう求められる
などが挙げられます。このような過剰な要求には、安易に応じてはいけません。クレーマーが味をしめて、どんどんエスカレートする可能性があるためです。
しかし、過剰な要求と応じるべき要求には明確な線引きがなく、判断するのは難しい場合があります。
要求の妥当性を見極めるには、以下の項目を確認しましょう。
- 企業・店側にミスや落ち度があるか
- 企業・店側のミスによって相手に損害が発生しているか
- 相手の要求内容が適正か、金額は妥当か
- 相手の要求の方法が適正であるか
自社での判断が難しい場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
過剰な要求と正当なクレームとの違いは、関連記事「【もう悩まない】客からのハラスメントと正当なクレームの違いは?企業が取るべき4つの対策を紹介」にてさらに詳しく解説しています。
過剰要求を含むクレーム対応のポイント7選
過剰な要求をされた際には、以下7つのポイントを意識してみてください。
- 相手の話をよく聞く
- 迅速に対応する
- 相手の話を遮らない
- 何を望んでいるのかを確認する
- 過剰な要求はきっぱりと断る
- 落ち度が合ってもすべての要求を飲まない
- あいまいな返答は避ける
これらの項目は、普段のクレーム対応でも活かせるものです。各ポイントを確認して、トラブルの迅速な解決を目指しましょう。
1. 相手の話をよく聞く
クレーム対応をする際には、まずは話をよく聞くようにします。相手が感情的になっていると、話し合いができない可能性が高いためです。
加えて、相手の要求に関して、事実関係があるのかどうかを確認するようにしましょう。事実関係を確認していなければ、後日の対応で「言った・言わない」のトラブルに発展することがあります。トラブルを避けるために、会話の内容をメモしたり録音をしたりすることをおすすめします。
2. 迅速に対応する
クレームがあったには、迅速な対応を心がけましょう。顧客を待たせてしまうと、さらに機嫌を損ねるためです。その結果、要求がさらにエスカレートする可能性があります。
ただし、迅速に対応するということは「過剰要求を受け入れる」という意味ではありません。その場で対応できない場合でも「上司と相談する」「社内で対応を決める」などと伝えて一旦その場をおさめて、後日対応するのが好ましいです。
クレームに迅速な対応を行うためにも、マニュアル作成や社内研修の実施を検討しましょう。
3. 相手の話を遮らない
クレーム対応の基本は、相手の話を遮らないことです。話している途中で邪魔をされるのは、誰であっても気持ちの良いものではありません。
話を遮った結果、相手の機嫌を損ねる可能性があります。反論したい部分があったとしても、途中で口を挟まず一旦最後まで相手の話を聞きましょう。
4. 何を望んでいるのかを確認する
クレームを受けた際には、相手が何を望んでいるのかを確認します。相手の要望に応えられれば、怒りを鎮められる可能性があるためです。
加えて、相手が要求している根拠をヒアリングするよう意識しましょう。原因を明確にすることで、スムーズな問題解決が期待できます。
また、相手の要望に答えようとする姿勢が伝わることで、満足してもらえる可能性があります。
5. 過剰な要求はきっぱりと断る
受容限度を超える要求をされた場合は、対応できないことをはっきりと伝えましょう。あいまいな回答をしたり、要求に応じる姿勢を見せたりしてはいけません。相手に中途半端な期待させることで、さらなるトラブルに発展するケースがあるためです。
断る際には、相手に納得してもらえるよう根拠を伝えることが大切です。例えば、慰謝料を要求された場合は、支払い義務が発生するほどの損害を自社が与えていないことを説明します。
要求を断ったことで相手はさらに怒ってしまうかもしれませんが、対応できない旨を根気強く伝えましょう。
6. 落ち度が合ってもすべての要求を飲まない
クレームが発生した原因には、企業・店側に落ち度があるケースがあります。そのような場合でも、すべての要求を飲む必要はありません。
要求された内容が、ミスの度合いと釣り合っていないことがあるためです。自社側に落ち度が合った場合は、まず相手にその旨を謝罪をします。
その上で不備があった程度に応じた補償を提案し、それ以上の対応はできないことを丁寧に説明しましょう。
7. あいまいな返答は避ける
クレーム対応をする際には、あいまいな返答は避けましょう。憶測で返答をした結果、さらなるトラブルに繋がる可能性があるためです。
例えば、顧客の要求に対して「多分できます」「おそらく可能です」と答えるのは危険です。できなかった場合は、怒りや不満が増加してしまう可能性があります。
その場で回答が難しい場合は「社内で確認して回答する」「私だけの判断では決めきれない」などの旨をきちんと伝えましょう。
クレーム対応時の過剰要求への事前対策3選
クレーム対応の際に過剰な要求をされる前に、社内で事前に対策を練りましょう。迅速な解決に繋がる可能性があるためです。
こちらでは、過剰な要求への事前対策を3つ紹介します。
- マニュアルを作成する
- 研修をする
- 社内相談窓口を設置する
各対策について、詳しく解説します。
1. マニュアルを作成する
過剰な要求の対策をするには、マニュアルを作成しましょう。マニュアルがあることで、クレーマーに対しても上手く切り返せるようになるためです。
また、クレームに対してどのような対応をするのか決めておくことで、従業員も安心して業務を行えます。
マニュアルの作成方法や掲載すべき内容は、関連記事「【5分で分かる】カスタマーハラスメント対応マニュアルの作り方【内容から運用 のコツまで網羅】」にて解説しています。
2. 研修をする
研修の実施は、過剰要求の事前対策として有効です。マニュアルがあっても、内容が頭に入っていなければ、いざというときに対応ができません。
そのため、社内全体にクレーム対応を周知する必要があります。研修をする際には、座学だけではなくロールプレイングを実施しましょう。
従業員に実際のクレーム対応を想定させることで、過剰な要求に対して自信を持って切り返しできるようになります。
3. 社内相談窓口を設置する
クレーム対応時における過剰な要求に対応するためには、相談窓口を設置するのがおすすめです。
相談窓口を設置することで、クレームがあったことを素早く社内で共有できます。社内でクレームの内容や対応事例を蓄積することで、同様の事象が発生した際の参考となります。
さらに、気軽に相談できる窓口があることで、クレーム対応した従業員が報告しやすい環境を作れることもメリットです。
相談窓口については、関連記事「【保存版】企業が使えるカスタマーハラスメントの相談窓口3選【社内の対策も紹介】」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
不当要求に該当するクレームについて解説
過剰要求と併せて問題となっているのが、不当要求です。不当要求とは、脅迫や威圧的な言動や暴力などを用いて、要求を通そうとする行為を指します。
例えば、以下の行為が該当します。
- 「家に謝りに来ないと、本社に連絡するぞ」と脅迫する
- 「電話をしたらガチャ切りされた」と本社にクレームを入れる
- 反社会勢力が後ろ盾にいることをうたい文句に、金銭を巻き上げる
これらの不当な要求は、脅迫罪や恐喝罪などの罪に問われるケースがあります。
執拗にクレームを入れられたり、暴行を加えられたりした場合は、警察や弁護士などに相談することがおすすめです。
クレーム対応で過剰要求された際の2つの相談先
クレーマーから過剰な要求されると、社内の対応だけでは難しい場合があります。そんなときは、社外の相談先を頼り、問題のスムーズな解決を目指しましょう。
クレーム対応時に過剰な要求をされた場合の相談先は、主に以下の2つです。
- 弁護士
- 警察
どのような対応をしてくれるのか、順番に解説します。
1. 弁護士
弁護士に依頼することで、クレームの初期対応から任せられます。相手の要求に対して、法律や判例のルールに基づく話し合いが可能です。そのため、トラブルに対して円滑な解決が期待できます。
クレーム対応を弁護士に依頼するメリットは、関連記事の「クレームの過剰要求の対応を弁護士に相談するメリット」にて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
2. 警察
事件性があるクレームの場合は、警察に通報しましょう。過剰な要求は、脅迫罪や名誉毀損罪などに該当する可能性があるためです。
ただし、証拠となる記録などがないと対応してもらえない可能性があります。会社で顧問弁護士などがいる場合は、早めに相談して残しておくべき証拠などを確認しておきましょう。
過剰な要求を受けた場合に警察に頼れるケースは、関連記事「【解決】カスタマーハラスメント被害で警察に頼れるのか?7つのケースと対処法を紹介」にて解説しています。
過剰要求を含むクレーム対応を弁護士に相談するメリット3選
クレームにおける顧客からの過剰な要求でお悩みなら、弁護士へ相談するのがおすすめです。こちらでは、3つのメリットを解説します。
- 要求が過剰であるか判断できる
- クレーム対応を任せられる
- クレーマーへの牽制になる
過剰要求を含むクレーム対応をどこに相談すればいいのか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 要求が過剰であるか判断できる
弁護士に相談するメリットは、クレームの内容が過剰要求であるかを見極められることです。弁護士は法律の知識を用いて、過剰要求と判断できる事実があったか確認できます。
加えて、相手の言い分を必要な範囲で認め、適切な落としどころを作り問題を解決に導きます。クレームの内容が応じるべき要求かどうかの判断が難しい場合は、弁護士へ相談することがおすすめです。
2. クレーム対応を任せられる
弁護士は企業の代理人として、クレーム対応を行えます。そのため、クレーマーと直接対峙する必要がなくなることがメリットです。
結果、従業員は本来の業務に集中でき、売り上げやモチベーションの低下を避けられます。また、従業員の精神的な負担を軽減できることも利点です。
さらに、弁護士に依頼することで、過剰な要求をしてくる相手に内容証明郵便で受任通知を送り、警告書や取消通知書などを送付できます。
内容証明郵便を相手が受け取れば、今後会社に連絡してこなくなったり、迅速な解決に結び付いたりする効果が期待できます。
3. クレーマーへの牽制になる
弁護士に相談するメリットは、クレーマーの牽制になることです。
弁護士が対応することで、相手が引き下がる可能性があります。過剰な要求をしてくる人には、自分の要求が無茶なものであると自覚しているケースが少なくありません。
そのため、弁護士が対応することで、相手が要求を取り下げて解決に繋がる場合があります。
クレーム対応の過剰要求でお困りなら「オンライン顧問弁護士」へご相談ください
クレーマーに過剰な要求をされた場合は、安易に応じてはいけません。対応する際には、以下7つのポイントを意識してみてください。
- 手の話をよく聞く
- 迅速に対応する
- 相手の話を遮らない
- 何を望んでいるのかを確認する
- 過剰な要求はきっぱりと断る
- 落ち度が合ってもすべての要求を飲まない
- あいまいな返答は避ける
また、問題を迅速に解決するためには、過剰な要求をされる前に対策を練ることが重要です。社内でマニュアルを作成したり、相談窓口を設けたりして、トラブルを未然に防ぎましょう。
クレーム対応でお困りの際には「オンライン顧問弁護士」にお任せください。オンラインを通じて、全国どこからでも相談いただけ、トラブルの迅速な解決を目指します。30分の無料相談体験も行っていますので、クレーム対応でお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。