顧問契約 2022.01.25

【必見】弁護士と雇問契約を結ぶ際の7つの注意点!報酬相場と締結までの流れを紹介

  • 顧問契約をする前の注意点が知りたい
  • 顧問弁護士はどこまで対応してくれるのだろう
  • 顧問契約の相場はいくらなのか気になる

会社が大きくなり法的なトラブルが増えてくると、信頼できる顧問弁護士がいると安心です。しかし、顧問弁護士に依頼したくても、顧問契約の際の注意点や、適切な顧問料などが分からないと、契約に二の足を踏んでしまいますよね。

この記事では、弁護士と顧問契約する前に確認すべき7つの注意点のほか、以下のよくある質問について詳しく解説しています。

  • 顧問契約と業務委託契約との違い
  • ​​顧問弁護士に相談できる内容
  • 弁護士の顧問契約の報酬相場
  • 顧問契約締結までの流れ

重要なポイントを確認をせずに契約を交わしてしまうと、思わぬ問題になってしまう可能性があります。トラブルを防ぐためにも、顧問契約を結ぶ前にこの記事をぜひ参考にしてください。

顧問契約について解説

顧問とは、専門的な知識を持ったプロや経験者が知識や有益なアドバイスを企業に提供する役職です。そのため、顧問契約を結べば、専門家が一定期間にわたって御社の助言や手伝いをしてくれます

法務関係であれば弁護士、経営相談であればコンサルタントと、専門家ごとに顧問契約を結べば全ての専門家を企業内で雇用しなくて済みます。そのため、現在では多くの企業がさまざまな専門家と顧問契約を結んでいます。

基本的に弁護士との契約は「業務委託契約」が一般的です。ここでは顧問契約と業務委託契約との違いから、顧問弁護士に相談できる内容までを詳しく解説します。

顧問契約とは

顧問契約とは、特定の業務スキルや知見、ノウハウを持つ専門家に対して、その能力を企業経営に活用する目的で締結する契約のことです。

弁護士であれば、顧客との契約から従業員との雇用契約、また債権などの問題まで、 法律の専門家と言う立場から幅広くアドバイスや具体的な手続きを行えます。

また、顧問契約は使用者と従業員で交わす雇用契約のような形ではなく、厳密に言えば業務委託契約の一種です。

業務委託契約の違い

業務委託契約には「請負契約型」と「委任契約型」の2種類があります。

「請負契約型」は、成果物の完成責任が発生する契約です。例えば外部企業にプロジェクトを依頼し、一定期間内に完成した段階で報酬を支払うといったケースです。

一方「委任契約型」は成果物がなく、一定期間に発生した断続的な業務に対して一定額を支払います。 弁護士との顧問契約は、業務委託契約の委任契約型に該当します

詳しくはこちらの記事「【スッキリ解決】顧問契約と業務委託契約の違いとは?士業と契約を結ぶ3つのメリットも解説」をご覧ください。

​​顧問弁護士に相談できる内容

顧問弁護士に対して、相談できる内容の一例です。

  • 契約書チェック、交渉のアドバイスや代理対応
  • 取引先とのクレーム対応、倒産対応
  • M&A、事業承継
  • 知的財産の問題
  • 人事労務問題
  • 経営相談
  • コンプライアンス問題
  • 債権回収など

相談できるや作業時間などは、顧問料金の額によりあらかじめ決まっており、契約内容以外の業務となると別途料金がかかるのが一般的です。問題が発生してから弁護士に依頼すると、費用が高額になり解決までに時間がかかることが多いです。

一方で顧問契約をしていれば、早い段階で問題が起こっている状況や契約内容をチェックできるため、トラブル予防やリスク対策が可能となります。追加の費用が必要になったとしても、顧問契約があれば通常より低い金額で依頼可能な事務所が多いです。

このように、普段からかかりつけの弁護士に小さな法務ケアを依頼することで、大きな法的トラブルを回避する手法を「予防法務」と言い、弁護士との顧問契約は企業の定期検診と捉えられます。

その他、労務トラブルやカスタマーハラスメントなどのクレーム処理も、法的に対応が可能です。詳しくは「法律違反に該当するカスタマーハラスメント5つの特徴!判例と確認すべきポイントを紹介」をご覧ください。

弁護士と顧問契約する前に確認すべき7つの注意点

弁護士と顧問契約する前に、チェックしておくべき注意点は以下の7点です。

  1. 企業法務の十分な経験と実績があるか
  2. 自社業界に精通しているか
  3. 契約内で受けられるサービスは適切か
  4. 企業に寄り添った提案ができるか
  5. レスポンスが早く相談しやすいか
  6. 顧問料は適切か
  7. 契約解除の要件は明確か

これらの注意点を確認しながら弁護士を探せば、信頼できる弁護士に辿り着く可能性が高まりますので、ぜひ参考にしてください。それぞれの項目について、詳しく解説していきます。

1. 企業法務の十分な経験と実績があるか

一番重要なのは、企業法務に強い弁護士を選ぶことです。一口に弁護士と言っても、それぞれ得意とする専門分野が違います。

専門分野とは、例えば刑事事件に強い弁護士だったり、個人の民事事件に強い弁護士だったりがいます。専門分野が違えば、理想的な対応ができなくなる可能性があります。そのため、必ず企業法務に強い弁護士を選ぶようにしましょう。

企業法務にどれくらい強いのかを計る目安としては「企業の顧問を何社持っているのか」「企業顧問を何年ほど続けているのか」など、企業法務の経験について質問すると良いでしょう。

2. 自社業界に精通しているか

依頼する弁護士の条件として、自社の業界の法慣習に対して詳しいかも大事な要素です。企業法務といっても、業界ごとに法習慣が違っていることは多くあります。例えば、美容業界と出版業界ではそれぞれ明文化されていない暗黙のルールがあるため、事情に精通している弁護士でないと適切な助言ができません。

そのため、依頼する弁護士の自社業界での対応経験が重要となります。たとえ、昔から知っている弁護士であっても、専門性が違うとトラブルになるケースがあるでしょう。たとえ知り合いの弁護士でも、専門性や経験についての質問は、契約前に行うことをおすすめします。

3. 契約内で受けられるサービスは適切か

顧問料に対するサービス内容は弁護士によってそれぞれ違うため、顧問料に見合ったサービス内容かを契約前にしっかり確認しましょう。

一般的には、数時間の無料相談や調査や作業が顧問契約に含まれています。しかし、契約書の事前チェックは別料金であったり、逆に着手金は割引にしてくれたりと、事務所によって対応は様々です。

以前は、事業者に対する顧問料は月額5万円以上と弁護士法により定められていましたが、平成16年4月以降は顧問料の最低金額は廃止されました。そのため、まれに月額1万円といった弁護士事務所が現れていますが、サービス内容の範囲が非常に狭かったり、法的な問題が起きた場合、最終的に高額になったりする可能性があります。

弁護士との顧問契約は、長期間にわたって信頼関係の上に成り立つ契約です。単純に金額だけで判断せず、顧問料と契約内容のバランスを必ず確認しましょう。

4. 企業に寄り添った提案ができるか

経営方針をしっかりと理解し、自社の希望に沿った提案ができる弁護士を選ぶことが大事です。法律には、複数の解釈があるケースが多数存在します。

仮に保守的な弁護士であれば、いくら社長が攻めの経営をしたくても守りの提案ばかり行い、挑戦を止められる場合があるかもしれません。リスクを考慮することは大事ですが、経営的に守りの姿勢ばかりではチャンスを逃してしまいます。

特に重要な場面では、一つの法的対処で全体がガラッと変わるケースがあるため、企業の立場に立った提案ができる信頼のおける弁護士を選びましょう。

5. レスポンスが早く相談しやすいか

相談にすぐ対応してもらえるなど、気軽に相談できるような事務所の雰囲気が大事です。ちょっとした相談事は受け付けないような事務所だと、顧問契約をしている意味がありません。

大きな問題でなければ相談しにくいなどの雰囲気があると、初期対応での意思疎通がうまくいかず、後々大きな問題になる事が考えられます。

また、わざわざ事務所に出向かなくても、電話やZoomなど、いつでも相談できる体制になっているかも併せて確認しておきましょう。ほかにも、最長で何日までに相談の回答がもらえるのか、緊急時に当日対応してくれるかなどもチェックしておくと安心です。

6. 顧問料は適切か

顧問料は毎月発生するため、費用対効果が適切であるかの検証は重要です。顧問料はできれば安い方が良いでしょうが、必要な事態に対応してもらえなければ意味がありません。

「毎月の契約書の事前チェックをしてほしい」「トラブルが頻発している」など、利用頻度が多くなりそうな企業であれば、月額の顧問料が高くてもサポートが充実した弁護士を選びましょう。

顧問料が高くても細やかな対応をしてくれれば、トラブルを将来的なトラブルを予防でき、結果的にトータルコストを抑えることができます。自社の予算をもとに、適切な顧問料の範囲をあらかじめ確認しておきましょう。

7. 契約解除の要件は明確か

「弁護士と合わなかった」という場合に備えて、顧問契約を解除できる内容が適切かを確認しましょう一般的に、契約解除の要件は顧問契約書に必ず記載されています。

また、弁護士との顧問契約は1年契約で自動更新が多いため、途中で解除する場合は「告知期限はいつまでか」をあわせて確認すると良いでしょう。

ただし、契約期間中に解約すると、残存期間分の顧問料の支払い義務が発生する可能性があります。契約の中途解除について契約書にどのように書かれているかチェックしておくと、万が一の時でも安心です。

その他、法律事務所によってはコース設定があり「業務が増えてきた場合に途中でコース変更できるのか」「コース変更に追加費用がかかるのか」などの確認をしておきましょう。

弁護士の顧問契約の報酬相場

弁護士の顧問契約は月額3〜5万円が一般的です。しかし、実際には企業の規模や取引の多さなどによって業務内容が異なるため、御社の場合がいくらが適切なのかは個別相談となります。

アンケート結果に基づく中小企業のための弁護士報酬の目安によると、 月額顧問料の範囲での業務は以下の内容となり、それぞれ顧問料は月額3〜5万円が一番多いという回答でした。

  1. 電話、ファックス、メールによる相談で、調査を要せず、すぐに回答できる内容のものまでは月額顧問料の範囲とする。(34.5%)
  2. 相談方法(電話、ファックス、メール、面談など)や調査の要否にかかわらず、月3時間程度(調査時間・相談時間を含む)の相談については月額顧問料の範囲とする(59.9%)

顧問契約なしの場合、 調査や相談依頼の1件ごとに金額がかかる上に、 訴訟相談や債権回収などの個別案件ではさらに費用が上乗せされます。顧問契約があれば、個別案件になっても着手金などが割り引かれる事が多いです。そのためトラブルが多い場合は、顧問契約を結び長期的に対応することでトータルのコストは安くなる傾向があります。

詳しくはこちらの記事「【2022年最新】弁護士の顧問契約の相場一覧と費用を安くする方法を紹介」をご覧ください。

顧問契約締結までの流れ

信頼できる弁護士が見つかれば、いよいよ顧問契約です。ここでは、締結の流れについてご紹介します。

まずは事前話し合いで、以下の内容を詰めていきます。

  • 顧問料の範囲内のサービス内容(時間・作業内容)
  • 顧問料の金額
  • 契約期間(自動更新なのか協議の上での更新か)
  • 別途料金が発生するケース
  • 別途料金が発生した場合の料金
  • 契約解約できる要件
  • 契約解約した場合の残存期間分の支払い
  • 紛争時の裁判所管轄

特に重要なのは、以下の3点です。

  • 顧問料の範囲内のサービス内容(時間・作業内容)
  • 契約期間(自動更新なのか協議の上での更新か)
  • 契約解約できる要件

御社の現在の状況やトラブル内容などを把握した上で、毎月の法的業務が適切になるよう、お互いが納得いくまで話し合い、書面にしっかりと残しておきましょう。

顧問契約書に記載すべき内容

顧問契約書に記載すべき内容

いよいよ顧問契約書の作成です。通常は法律事務所側で作成されますが、一般的な内容は以下の通りです。

  • タイトル(法律顧問契約書)
  • 前文
  • 契約条項
  • 損害賠償
  • 顧問料
  • 支払日・支払い方法
  • 顧問料以外の費用
  • 契約期間
  • 解約解除事由
  • 合意管轄

ここでも、事前話し合いで決めた内容がしっかりと記載されているか、あいまいな点はないかなどのチェックを必ず行いましょう。

なぜなら、事前に口頭で取り決めていた内容が契約書に書かれてなければ、万が一問題があったときに主張を通す事は難しくなるからです。問題がなければ署名押印により契約成立となり、顧問契約が開始されます。

顧問契約はオンライン顧問弁護士にお問い合わせください

会社が大きくなると、今までは慣習で行えていた業務であっても明文化する必要が増えていきます。会社が大きくなるにつれて目が行き届かず、契約書上の小さなミスなどが大きなトラブルを生む可能性が増えていきます。

緊急事態が起きてから慌てて弁護士に依頼するよりも、今のうちから法律のプロと手を組み、事前チェックや予防策を提示してもらうことで、トラブルを防ぎつつ安心して業務拡大を目指していきましょう

もし身近に相談できる弁護士が見つからないのであれば、オンライン顧問弁護士にお気軽にお問い合わせください。オンライン顧問弁護士では、全国どこからでも適切な法的処置やアドバイスが可能です。

また、企業法務に精通した弁護士を多数揃えていますので、どのような複雑な案件であっても誠実かつスピーディに対応いたします初回相談は無料ですので、気がかりなことがあればお早めに一度相談ください。

Contents

Close